大判例

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福岡地方裁判所 昭和44年(ワ)1760号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕生活費、学業費等の控除(被告らの抗弁)

被告らは訴外明生が収入を得るに至るまでの間の生活費、学業等相当額を原告らの相続分から控除すべきであると主張するので、この点につき検討する。

右生活費、学業費等の支出を免れたことの利益は被害者である同訴外人につき生じたものではなく同訴外人の両親である原告らにつき生じたものであるから、右支出が不要となつたことをもつて直ちに同訴外人の前示損害と損益相殺できる利益と解することはできないが、<証拠>によれば、原告らが本件事故当時まで同訴外人を扶養し同訴外人の生活費、学業費等を支出していたことがうかがわれるところ、同訴外人の死亡により右支出を免れると同時に同訴外人の被告らに対する損害賠償請求権を相続することになつたのであるから、原告らが相続した右損害賠償請求権から生活費、学業費等の相当額を控除するのが不法行為に基づく損害賠償の範囲を定めるにあたり考慮されるべき衡平の理念に適合するものというべきである。

そこで、次にその額が問題となるが、諸般の事情を考慮し同訴外人の生活費、学業費等の額は同訴外人が卒業するまでの年月を平均して月額金一万円とみるのが相当である。

(木本楢雄 富田郁郎 横田勝年)

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